コウノトリや城崎温泉で有名な豊岡市は、早くから地域活性化に力を入れてきた。
その背景となったのは、2001年に就任した中貝宗治市長の強い危機意識である。
すなわち人口減少時代を迎えて、地方は生き残りをどう図るべきか。
「我々は3つの戦略に取り組んできました」と、環境経済部大交流課課長補佐の谷口雄彦氏は同市の取り組みを振り返る。
その戦略とは、歴史と風土に根ざした豊岡らしい町づくり、オンリーワンの町として豊岡の認知度向上、そして定住者の受け入れ基盤整備である。
これらを受けて同課で海外戦略を担当する坂本裕介氏は「現時点では英語のホームページを開設するなど情報発信を強化し、豊岡を広く内外へとアピールしています」と、具体的な取り組み内容を説明する。
豊岡市には古くからの名湯として知られる城崎温泉がある。
外国からの観光客にとって、城崎はイメージ通りの日本の温泉町として人気を集めている。
その魅力は「町全体が一つの旅館」となっていることだ。
例えるなら城崎温泉駅が玄関、メーンストリートが廊下で、各旅館が部屋に当たる。
だから浴衣姿で通りを歩き、7つの外湯を気軽に巡ることができるのだ。
年間約60万人の観光客のうち、現時点での外国人観光客数は1万4000人程度。
市ではこれを10万人にまで増やす計画を立てた。
ところが海外のお客さまが増え始めるにつれて、新たな課題が浮かび上がってきた。
観光庁の調査によれば、外国人旅行者が日本滞在中に最も不自由を感じるのがWi-Fi環境の不足である。
「城崎も同様で、特にメーンストリートでWi-Fi環境にアクセスすることができません。これには観光地ならではの事情が関係していたのです」と、谷口氏は問題点を明かす。
城崎温泉駅前から町を見れば、誰もが気付くことがある。
電柱が一本も立っていないから町並みがとてもすっきり見えるのだ。
景観整備に力を入れてきた城崎では、電線と電話線は既に地中化されたために光回線を新たに引くことが難しくなっていた。
「各旅館内ではたいていWi-Fiを使えますが、元となる回線はADSLに頼っているケースが多く、帯域が限られています。通信環境の改善は、城崎の町ぐるみの課題でした」と、坂本氏。
浴衣を着て外湯巡りを楽しめば、特に海外からの観光客は気分も高揚するだろう。
当然、写真を撮る人もいるが、Wi-Fiを使えないとなるとSNSにタイムリーに投稿できない。
安定した高速回線に基づくWi-Fi環境の整備は、豊岡市にとって急務となっていた。
そこで、メーンストリートに軒を連ねる7つの外湯にWi-Fiアクセスポイントを設置することが決まったがこのエリアには本来なら光回線をつないでいく電柱がない。
しかも電線地中化は早くに完了しているため、追加で光回線を入れることも難しい。
「こうした状況があったために、旅館などでもADSLで我慢していたのです。光回線の整備が難工事になることは覚悟していました。」と、谷口氏。
11月のカニ解禁日を過ぎると、町全体が慌ただしい雰囲気となり工事は不可能になる。
しかし、このタイミングを逃すとWi-Fi環境整備が来年以降へと大幅にずれこんでしまう。
何度も調整を重ねた末、回線は無事開通し、7つの外湯でWi-Fiが使えるようになった。
「オプテージさんにはがんばってもらい感謝しています。城崎温泉のWi-Fiのアクセスポイントはさらに拡大していく予定ですので、引き続きご協力いただきたいです。さらに今後の可能性として、まず豊岡市同様、光電話を導入することで通信コストを削減できます。また、これからオプテージさんと実証実験に取り組む、タブレット端末のテレビ電話機能を活用したリアルタイム通訳サービスは、外国人観光客へのもてなしを高めるツールとしてとても期待しています」と、今後の展望を語る坂本氏。
外国人観光客の利便性を高めるために通信インフラの整備は欠かせない。
オフィスeo光ネットは、観光地城崎のインバウンド対応をがっちり支えている。
「コウノトリの飛ぶまち」をキャッチフレーズとする豊岡市は、2005年に城崎町、竹野町などと合併し市域が拡大された。
観光資源を生かした地域活性化に市を挙げて取り組んでいる他、早くから市の事業として光回線の整備に着手し、ほぼ全市域をカバーしている。
〒668-8666 兵庫県豊岡市中央町2-4
Tel:0796-23-1111
http://www.city.toyooka.lg.jp/
豊岡市 環境経済部
大交流課 課長補佐
谷口雄彦氏
豊岡市 環境経済部
大交流課 大交流係
(海外戦略担当)
坂本裕介氏
通信費の削減を目的にオフィスeo光ネット・光電話を導入。
バラバラになっていた通信環境(ADSL・アナログ回線5本)をまとめることで通信コストを約50%削減。
これにより老朽化していた旅館内にある電話設備の一新を実現。
城崎温泉街の中央に位置し外湯巡りに最適な旅館。
館内には貸切風呂も。その他、陶芸・七宝焼・絵付けも体験いただけます。
兵庫県豊岡市城崎町湯島495
Tel:0796-32-2503
http://www.yado-kiraku.com/
観光客へ快適なインターネット環境をご提供するため、ADSL回線からオフィスeo光ネットへ切り替え、Wi-Fi環境を整備。
同時に複数のアナログ電話回線を光電話へ移行することで、約30%の通信コスト削減を実現。
昔ながらの旅館風情を今に生かしたアットホームな旅館。
地産地消の会席料理や但馬牛、冬のかに料理をご堪能いただけます。
兵庫県豊岡市城崎町湯島781
Tel:0796-32-2131
http://www.tsubakino.jp/
ADSLや複数の電話回線をオフィスeo光ネット・光電話にまとめ、通信速度の高速化を実現した。
また、通販用の電話回線が増えたため、通話中が減りビジネスチャンスが広がった。
兵庫県の旧香住町にて古来より伝わる日本酒の製造法「生もと(きもと)造り」にこだわり、独特の風味を醸す酒造メーカー。
兵庫県美方郡香美町香住区小原600-2
Tel:0796-36-0029
http://www.fukuchiya.co.jp/
事業拡大に伴い通信環境を見直し、オフィスeoネット・光電話を導入。
これにより複数の通信サービス(ISDN・アナログ回線)を集約でき、かつ同時通話可能数を増加できたことで、利便性の向上と約40%の通信コスト削減を実現。
平成23年には農林水産祭の畜産部門の天皇杯を受賞。
たまごかけご飯「但熊」のほか2店舗を経営し、ブランド鶏卵「クリタマ」も販売しています。
(但熊)兵庫県豊岡市但東町栗尾916
Tel:0796-55-0901
https://www.eonet.ne.jp/~tankuma/